WISDOM TEETH 親知らず
抜歯の前に、知るべきこと
親知らずという名前を聞くと、多くの人が少なからず不安や疑問を感じることでしょう。
この特異な歯が引き起こす様々な問題、なぜそういった病気や症状に繋がるのか、そして真剣に考えなければならない抜歯の選択。
その際のリスクとメリットは一体どういったものなのか。
このページでは、これらの疑問点や悩みを詳しく、わかりやすく解説していきます。
親知らずに関する知識や情報を求めている方は、ぜひこちらの内容を参考にしてください。
目次
こんなお悩みありませんか?
- 親知らずが痛むことがある
- 歯並びに影響が出てきた気がする
- 親知らずの周りが腫れてしまう
- 歯ブラシが届きにくく、しっかりと磨けているか心配
- 抜歯すべきかどうか迷っている
親知らずによる病気と
そのメカニズム
親知らず、もしくは第三大臼歯は、我々の口の一番奥に生える永久歯です。
多くの人々が20代初めから中盤にかけてこの歯が生えてくることから、成人の歯としての名前を持っています。
しかし、親知らずが原因となるさまざまな口腔内の問題点には、いくつかの要因が関与しています。
1. 虫歯や歯周病の発症
親知らずは通常、口の奥の狭いスペースに生えてくるため、正確な歯磨きが難しい位置にあります。
このため、細菌が集まりやすく、そこから虫歯や歯周病が発生するリスクが増します。
特に、歯周病が進行すると親知らず周辺が腫れることが多く、これは親知らず自体が問題を起こしているサインとなります。
2. 隣の歯との関係
親知らずが生える際、そのスペースが狭いと斜めに生えて隣接する歯を圧迫する可能性があります。
これにより、隣の歯のブラッシングが難しくなるため、それもまた虫歯や歯周病のリスクが上がります。
3. 含歯性嚢胞の発生
含歯性嚢胞とは、親知らずのまわりに形成される袋状の構造で、中には液体や他の組織が詰まることがあります。
放置されると、これらの嚢胞は大きくなり、他の歯や骨に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクを適切に管理するには、定期的な歯科チェックが欠かせません。
歯の生え方や状態を確認し、早めの処置やアドバイスを受けることで、大きなトラブルを防ぐことができます。
なぜ親知らず関連は
病気になりやすいのか
親知らずという歯は、我々の口の奥に存在します。
この位置こそが、その病気になりやすさの最大の要因となっています。
一般的なリビングのフローリングを考えてみましょう。
フローリングの中央部分は、障害物が無いため、掃除がしやすいですよね。
しかし、ソファやベッドの下といった隅々の部分は、手が届きにくく、掃除を怠ると汚れやホコリが溜まりやすくなります。
この例をお口の中に当てはめてみると、前の歯や真ん中の歯は「フローリングの中央部分」のように、歯ブラシが届きやすく、歯磨きがしやすい場所と言えます。
対照的に、親知らずは「ソファやベッドの下」といった、掃除がしにくい場所に相当します。
このため、親知らずの周りには細菌や食べ物の残りカスが溜まりやすく、それが原因で虫歯や歯周病が発症しやすくなります。
もちろん、家具の配置や形によっては、掃除しやすい場所もあれば、しにくい場所もあります。
これと同じように、お口の中でも、真っ直ぐに正しく生えている親知らずもあります。
しかし、多くの場合、この歯は曲がったり、他の歯と密着したりするため、適切なケアが難しくなります。
トピック
一度に4本の親知らずを抜く、口腔外科プロの力
人間の進化の過程で、親知らずは不要になっていき徐々に退化してきました。
そのため、一部の人々には親知らずが生えてこないこともあります。
しかし、多くの人々は上下左右、計4本の親知らずを持っています。
通常、一般歯科医院で親知らずを抜く場合、何回かに分けて行うことが多いです。
一度に複数の歯を抜くのは、患者さんの負担が大きく、治療後の回復も時間がかかるためです。
しかし、口腔外科の専門医による治療は異なります。
大学病院などの専門機関では、全身麻酔を使用して、患者さんが安心して眠っている間に一度に4本の親知らずを抜くことができます。
この方法のメリットとして以下の点が挙げられます。
1. 短い期間での治療完了
数回に分けて治療を受けることなく、一度の治療で全ての親知らずを抜歯できます。
2. 回復期間の短縮
一度の治療で全ての親知らずを抜くため、何度も治療を受けることで繰り返し回復期間を経ることがなくなります。
3. 心理的な負担の軽減
治療に対する不安や緊張を一度だけ経験すれば良いため、心理的なストレスが減少します。
このようなメリットを考慮すると、一度の治療で全ての親知らずを抜歯することは、患者さんにとって非常に魅力的な選択肢となります。
もちろん、この方法が最適かどうかは、患者さんの健康状態や親知らずの状態によって変わるため、専門医としっかりと相談することが重要です。
親知らずは必ず抜歯した方が
いいのか?
親知らずに関する抜歯の是非は、多くの人々の間で話題となっています。
それでは、実際に親知らずを抜歯した方が良いのでしょうか?
結論:基本的には、抜歯した方が良いケースが多いとされています。
しかし、全ての親知らずが抜歯の対象とは限りません。
歯が真っ直ぐ生えている場合や、他の歯との干渉がない場合は、残しても問題ないことがあります。
抜歯のタイミング
若い時期に抜歯する方が推奨される理由として、骨が柔らかく、歯の根が完全に形成されていないため、抜歯がスムーズに行われ、回復も早いとされるからです。
抜歯せず放置した場合の
リスク
親知らずが原因で多くの問題やトラブルを起こすことが知られており、その中でも特に注意を要するのが「智歯周囲炎」と「隣接する歯への影響」です。
智歯周囲炎
(親知らず限定の歯周病)
智歯周囲炎は親知らず周囲に特有の症状を指します。
親知らずの一部が歯茎から出ている時に、その周囲が感染しやすくなります。
歯の清掃が難しい場所に位置しているため、食べ物の残りやすさや細菌の蓄積が増え、歯茎が赤く腫れ上がり、痛みを伴うことが多いのです。
さらに、この状態が放置されると、口の中での悪臭の原因ともなりえます。
抜歯をした際のリスク
1. ドライソケット
抜歯後、通常は血液が固まって傷口を覆う「血のかたまり」が形成され、これが自然に治癒を助けます。
しかし、このかたまりが早く取れてしまうと、骨や神経が露出し、「ドライソケット」という状態になります。
これは非常に痛みを伴い、感染のリスクも高まる可能性があります。
2. 上顎洞の問題
上の親知らずが上顎洞(鼻の近くにある空洞)に近接している場合、抜歯時にその接続が影響を受けることがあります。
この結果、一時的に蓄膿症のような症状や、液体の流れが不自然になることが考えられます。
3. 神経への影響
下の親知らずは、顎の中を走る大きな神経、特に「下歯槽神経」に非常に近い場所に位置していることが多いです。
抜歯の際、この神経を傷つけると、一時的あるいは恒久的な痺れや感覚の喪失が生じるリスクがあります。
4. 治療の選択肢の制限
親知らずは、特定の状況下で、将来的な治療の選択肢として役立つことがあります。
例えば、隣接する歯が失われた場合にブリッジの支えとして利用されることが考えられます。
また、親知らずを使った歯の移植や矯正治療時に使用する「固定具」のような役割として利用することもあります。
親知らずを抜歯すると、これらの選択肢が制限される可能性があるのです。
よくある質問
- 親知らずの抜歯は痛いですか?
- 現代の麻酔技術により、手術中の痛みはほとんどありません。
- 親知らずを放置しても大丈夫ですか?
- 放置すると、虫歯や歯周病のリスクが上がることがあります。
- 抜歯後、どれくらいの期間で回復しますか?
- 個人差はありますが、大体1~2週間で日常生活に戻れることが多いです。
- どのようにして親知らずがあるか確認できますか?
- レントゲン撮影を行うことで、親知らずの位置や成長の状態を確認できます。
- 親知らずの抜歯はどの年齢が最適ですか?
- 早い段階での診断が推奨され、20代前半での抜歯が理想的とされています。
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