「歯医者は痛いところができてから」と思っていませんか?
実は問題が発生する前に予防することが、健康な歯を長く守る最も効果的な方法です。
予防歯科では専門的なクリーニングと適切なセルフケアで、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らせます。
治療費の節約だけでなく、食事を楽しむ喜びや自信ある笑顔も守れます。
このページでは予防歯科の内容や効果、頻度、費用について解説します。
当院では一人ひとりに合わせた予防プログラムで、あなたのお口の健康を生涯サポートします。

予防歯科とは
予防歯科とは、むし歯などの問題が発生してから治療するのではなく、問題が起きる前に予防する考え方です。
お口と歯の健康を守るために、歯科医院での「プロケア(プロフェッショナルケア)」と、歯科医や歯科衛生士のアドバイスに基づいた日々の「セルフケア」の両方が必要です。
健康なお口を維持するためには定期的な歯科検診が重要なポイントとなります。
歯科医院では専門的なクリーニングだけでなく、あなたの口内環境に合わせたケア方法を提案しますので、予防歯科の習慣化は、将来的な歯の健康につながる大切な投資といえるでしょう。

予防歯科とクリーニングの違い
予防歯科とは、歯科医院と自宅で行う虫歯や歯周病などの口腔トラブルを未然に防ぐための総合的な取り組みです。一方、クリーニングは専門的な機器を使って歯垢や歯石を除去する処置を指します。
クリーニングでは自宅での歯磨きでは落としきれない汚れを取り除くことで、虫歯や歯周病の予防、口臭改善の効果が期待できます。
予防歯科の包括的な取り組みの中でクリーニングは重要な役割を果たしていますが、お口の健康を長期的に保つには、両者をバランスよく組み合わせることが大切です。
予防歯科を受ける頻度は?
一般的には半年に1回を目安に予防歯科の通院をするとよいでしょう。
むし歯や歯周病の予防には、定期的なプロによるケアが重要なポイントとなります。
歯周病のリスクが高い方や、すでに初期段階の症状がある方は、3〜4ヶ月ごとの通院がおすすめです。
歯周病は進行するとお口の健康だけでなく、全身の健康にも影響を与える可能性があるため、早めの対応が大切です。
もし歯が抜けてしまうと
歯を失うことは、単なる1本の歯を失うだけでなく、お口全体のバランスを崩すことが始まります。
想像してみてください。あなたが足を骨折したら、体全体のバランスが崩れてしまいますよね。
歯も同じです。1本の歯を失うと、残った歯がその役割を引き継ぎ、過度な負担がかかるようになります。
さて、治療方法の選択について考えてみましょう。
インプラント
これは、顎の骨に人工のネジを固定し、その上に人工の歯を取り付ける方法です。
インプラントを使用すれば、元の歯の噛む力の約80-90%を取り戻せると言われています。
しかし、高額な費用がかかることが多いです。
入れ歯
取り外しができる代わりの歯です。
ただ、入れ歯を使用すると、元の歯の噛む力のわずか20%しか取り戻せないと言われています。
取り外しやすい一方、ズレや違和感が生じることがあります。
ブリッジ
失った歯の両側の健康な歯を削って、その間に人工の歯を固定する方法です。
ブリッジを選択すると、元の歯の噛む力の60-80%を取り戻せるとされています。
ただし、他の健康な歯を削る必要があるため、その歯にもリスクが生じることがあります。
これらの治療法を選ぶ際には、咀嚼能率も考慮に入れる必要があります。
しかし、どの方法を選んでも100%の噛む力を取り戻すのは難しいのが現状です。
そのため、予防が一番。歯を大切にし、虫歯や歯周病を未然に防ぐ努力が大切です。
予防歯科のメリット・デメリット
メリット
- むし歯や歯周病のリスクを減らせます
- 歯の寿命を長くすることができます
- 体全体の健康づくりに役立ちます
- 将来かかる治療費を少なくできます
- かむ力がアップして食事をより楽しめるようになります
- 口のにおいや口内トラブルが少なくなります
デメリット
- 定期的な歯科通院には時間とお金がかかります
予防歯科を続けるメリットは多く、日々の健康維持だけでなく長期的な観点からも大きな意味があります。
特にかむ力の向上は食べ物の味わいや食事の満足感につながり、生活の質を高める要素となります。
一方、デメリットとしては定期的な通院の負担がありますが、将来的な大きな治療を避けられることを考えると、時間とお金の投資と捉えることができるでしょう。
当院の予防歯科の流れ(予防管理システム)
予防管理システムとは、まず口腔内全体のむし歯、歯周病のリスクの診断を行い、その結果を元に個々の患者さんに合わせた予防プログラムを立案し、治療や処置、定期メインテナンスを行う一連の予防診療プログラムです。
Step1 問診・カウンセリング
問診票を記入していただき、それを元にむし歯や歯周病の病歴や「歯が痛い」「出血している」などの症状、アレルギーの有無などについて時間をかけてじっくりお伺いします。
また、口腔内の写真撮影やレントゲン撮影などの検査も行います。痛みや腫れがある場合は優先して応急処置を行います。
当院では、一人の歯科衛生士が患者さんを継続して受け持つ担当衛生士制を導入しておりますので、患者さんの歯の状態や症状を把握しやすく、ひとりひとりに適した質の高いご提案・治療をすることができます。

Step2 唾液検査・歯周病検査
むし歯のリスク診断をするために、唾液内のむし歯菌の種類や数を調べる唾液検査を実施。
また、歯周病のリスク診断をするために歯周病の進行度を正確に調べる歯周病検査を行います。
問診・カウンセリングや検査結果を元に、リスク診断を行います。
Step3 リスク診断と治療計画の説明
むし歯や歯周病のリスクやその要因と、立案した治療計画についてご説明します。

Step4 初期治療
歯石を除去し、歯のクリーニングとフッ素塗布を行います。
また、この時にブラッシング方法や歯ブラシの選び方、歯間ブラシの使い方なども指導します。
Step5 評価
初期治療後の口腔内の状態を評価するために再度検査します。 評価の結果は患者さんに分かりやすくご説明します。

Step6 治療
口腔内の状態が改善されたことを確認し、必要に応じてむし歯などの治療を行います。
Step7 再評価
治療後の状態を再評価するため、口腔内の最終チェックを行います。 評価の結果も患者さんに分かりやすくご説明します。

Step8 メインテナンス
口腔内の健康を維持するために、4~6ヶ月に一度程度の定期検診・クリーニングをおすすめしています。 健やかな口腔内環境を保つために、ぜひ定期的にお越しください。

予防歯科の費用相場と保険適用について
予防歯科の費用相場
3割負担の方で1回あたり2500〜3000円程度です。
2020年4月の診療報酬改定により、予防歯科の診療内容に健康保険が適用されるようになりました。
特定の条件を満たす予防歯科の処置では、保険診療として受けることが可能です。
保険適用の対象となる予防歯科の処置には、定期的な歯の健康管理や歯周ポケット内の専門的な洗浄があります。
さらに歯石の除去やむし歯予防のための歯面清掃なども保険診療の範囲に含まれています。
予防歯科の保険適用の条件
保険適用となる予防歯科には、いくつかの条件があります。
むし歯や歯周病などの疾患がある場合、予防歯科での処置に保険が適用されます。
早期発見・早期治療により、症状の悪化を防ぎ、治療費用の抑制にもつながります。
歯科医師が口腔内を診断した結果、将来的な疾患リスクが高いと判断した場合も保険適用の対象となります。
たとえば歯並びが悪く歯磨きがしづらい状態では、むし歯になりやすいため、専門的なクリーニングや歯磨き指導が保険診療として認められます。
全ての予防処置や治療が保険対象というわけではないので、詳しくは、当院のスタッフまでお気軽にお問い合わせください。
よくある質問
予防歯科で、虫歯や歯周病を未然に防ぐことができるので、将来の治療費も抑えられます。
お口の健康は体全体の健康にも繋がっています。
一般的には半年に1回を目安にしてくださいね。
もし歯周病の心配がある場合は、3~4ヶ月ごとに受けることをおすすめします。
歯を支える部分が炎症を起こす病気です。
最初は歯の周りの歯肉が赤く腫れる「歯肉炎」、進行すると歯がグラグラする「歯周炎」になります。
予防歯科では、プロの技術や特別な機器を使って、家では落としきれない汚れをきれいにします。
早めに問題を見つけることもできるので、安心です。